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前回に引き続き、ファブマスター中澤による中国旅行記第2弾です。(よければ前回の記事からお読みください。)

今回は「そもそも世界会議ってなにするの?」という疑問にお答えしたいと思います。

 

世界会議は7日間に渡り開催されます。

月曜日に「受付」が始まり、夜のウェルカムパーティーで1年ぶりの再会を楽しんだり初めましての挨拶をします。本格的に会議が始まるのは次の日からの火・水・木曜日の3日間で、ここでは主に話し合いとワークショップでの技術・情報の共有を行います。金曜日は場所を大きなホール会場に移して「シンポジウム」、週末の土日の2日間はファブフェスティバルというイベントで、どちらも一般公開向けのイベントになっています。

それぞれどんなことをするのかを、次に説明したいと思います。

 

<火・水・木曜日の午前中に行われる「 News & Notes,Conversations」>

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Fab12のスポンサーや開催地のプレゼン、ファブラボネットワークの取りまとめ役でもある「FabFoundation(ファブファウンデーション)」のプレゼン、2年後の世界会議の開催地である候補地のプレゼン、などなど、さまざまな人がステージに立ち、新しい情報を発表します。

実際に今回発表があったこととして驚きだったのは、新しい「FabAcademy」の誕生についてでした。

FabAcademy(ファブアカデミー)」はファブラボの人材育成を目的とした講座ですが、去年新たに「Bio Academy(バイオアカデミー)」という姉妹講座ができ、今回はさらに、子供対象の「FabAcademy kid-12」や、デザイン・アートに特化した「Why to make almost Anything」が始まると発表されました。

それぞれどのような内容の授業になるのか、楽しみです。

 

< 火・水・木曜日の午後は「Workshops & Foo Session」>

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「News & Notes ~」の午後の時間に行われ、世界各地で行っているワークショップが集結し、参加者は好きなワークショップに参加することができます。

ワークショップの時間は、3日間ぶっ通しで工作機械をつくる「Fab2.0 Machine that make」もあれば、「Field Trip」という名前で深センのメイカースペースを巡れるツアーが出たりと、「手を動かす」だけでなく、「外に出たり話し合う」ことで様々な学びを得られる時間になってます。

私は、導電性の布・糸を組み合わせてつくる柔らかいセンサーづくり「Super Fun times super soft sensors」、プロトタイプから生産するときの過程を扱った  SEEED studio の「From Prototyping to manufactuaring」に参加しました。

特に前者なんかは自分がやっているプロジェクト「電子手芸」に近いものだったので、似たような興味を持つ人にたくさん出会えておもしろかったです。

 

<金曜日は大きな会場での講演会「Symposium」>

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シンポジウムは3日間の会場とは別になり、一般の方も参加できるようになるため、大きなホールに移動します。午前中から夕方まで1日、5テーマくらいに別れてそれぞれ4〜5人登場しプレゼンテーションとパネルディスカッションをします。

今年は「Organization That Make Organizations」というセッションの際に、「小さなメイカー」としてインドの8才の男の子、Saarang Sumeshくんがプレゼンをして盛り上がっていました。

お父さんにレゴのマインドストームを買ってもらい遊んでるうちに、Arduinoやプログラミングも覚えたみたいです。下の動画はその少年がyoutubeにアップロードしている「Arduinoでジタル時計をつくってみた」動画です。

シンポジウムは毎年、その開催地のメイカームーブメントにおける有名な人々もかなり講演されるので、その土地ならではのお話も聞けるのが面白いなあと思います。今年はハードウェアスタートアップとして有名な新センだからこそ「Businesses that make Businesses 」のセッションが盛り上がっていました。

 

<土・日の週末イベント「Fab Festival」>

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週末は一般公開のイベントで、世界各国のプロジェクトや製品の展示・子供向けのワークショップなどが行われています。左の写真はワークショップの様子、右の2枚はチリのサンティアゴ・スペインのバルセロナ・イスラエルなどが参加している「Open-textile」というプロジェクトの展示の写真です。

3日間のワークショップ内でつくられたものを展示することもあり、今回は「Machine That Make」でつくられた工作機械のデモなどがされていました。左の写真は自作CNCミリングマシン・右の写真は自作レーザーカッター)

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Making, Livinig, Sharing」というファブラボを題材にしたドキュメンタリームービーがありますが、 その作者であるイェンスは、オープンソースのCNCミリングマシンを設計し、この日までにデモをできるように仕上げて展示していました。こちらは実際にこの会場で撮影された紹介動画です。

 

「世界会議でなにするの?」ということでしたが、だいたい全体像は伝わったでしょうか?

世界会議はこの7日間で終了します。多くの参加者は、この会議の前後にも滞在期間を設けて、会議の中ではいけなかったところに足を運んだりします。私たちもこのあと、お隣の香港へ素材探検に向かいました。

 

旅行記もうちょっと続きます。では。